お悩みQ&A

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published 2019.07.11 / update 2019.07.14

自社サービス開発の時間確保のために、従業員の立場から会社(上司)にどうはたらきかけるべき?

自社サービス開発の時間確保のために、従業員の立場から会社(上司)にどうはたらきかけるべき?

さすらいのサラリーマンです。以前は質問にお答え頂きありがとうございました。
ところで、IT太郎さんのQ&A記事を拝見いたしました。
その記事内で自社サービスを開発する時間を確保するために「仕事を受ける時点で決断する」というお言葉があり、まったくその通りなのですが、
上司のもとで働く会社員であり仕事を受けるかどうかを決断する権限がない私のような場合、
「仕事を受けるべきではない」と感じた場合に何か上司や会社側に働きかけることが出来たりするのでしょうか?
我が社でも自社サービス開発を積極的に行っていこうという話が上がりながらも、なかなか実行できていない現状でして・・・

という、さすらいのサラリーマンさんからの質問です。

なるほど、会社員の方の場合には、よくあるケースかもしれません。


ちなみに、以前のIT太郎さんからのQ&A記事というのはこちらです。

受託業務と自社サービス開発の時間配分は事前に決めておかないと上手くいかない?

自社サービス開発は片手間では難しい

これまでの記事でも書いてきましたが、自社サービス開発(新規事業などと呼ばれることも多いと思います)は簡単なことではありません。特にIT業界の自社サービス開発であれば、全国もしくは全世界が競争相手になるため、相当(少なくとも全国レベル)なサービスでないとなかなか成立しません。

そのため、せめて自分の稼働できる時間のうち40%(週に2日相当)程度は自社サービス開発用に確保したいと以前述べました

受託業務を受けつつ自社サービス開発を進める場合の具体的な時間配分は…ズバリ○○%!

一方、さすらいのサラリーマンさんの立場では、 上司の方が仕事を各自に割り振る権限を持っていて、週に2日程度の時間を確保することが許されない(でも新たなサービスを開発しろと言う)ということですね。

また、自社サービス開発のためには、市場調査をしたり、ターゲット顧客になりそうな人にインタビューをするなども必要かもしれません。この場合は、お金がかかるケースもあるでしょう。

時間や予算が確保されない状況で、全国レベルのすごいサービスを開発しろと言われても、さすがにそれは無理な話です。

 ユアスト 江村さん

ユアスト 江村さん

日本企業において、このあたりの構図は、いわゆる「働き方改革」でも散見されます。「仕事量は変わらない、業務効率化の投資はしない、でも18時にはオフィスを消灯するので各自働き方改革をして早く帰りなさい」では、まじめな社員さんは自宅に仕事を持ち帰るだけです。

自社サービス開発には経営側の決意が必要

自社サービス開発(新規事業)、特にIT業界のそれは片手間でできるものではありませんので、経営戦略としてしっかりと自社サービス開発用の時間(マンパワー)と予算を確保すべきです。これは経営側の仕事と言えます。

しかし、さすらいのサラリーマンさんが、その正論を面と向かって上司や経営者に伝えるのは難しいでしょうし、伝えたとしてもなかなか状況は変わらないのではないかと思います。と言いますのも、そのような正論を聞いて経営方針を見直すような柔軟な経営者であれば、自社サービス開発に時間やコストが必要なことくらいすぐわかるはずで、もうとっくに対処しているだろうからです。

そこで、表現はかなり悪いですが「自社サービス開発は結構大変なのよ」ということを「頭の固い」上司や経営者に対して教育していく必要があるように思います。

私が効果的かなと思う方法は、まずは上司を巻き込むという方法です。

Answer:少しずつ作業を進め、その都度、上司に「お伺い」をたてることで上司を巻き込んでいく

上司を巻き込むとは言っても、「一緒にやりましょう」とお願いしたところで主体的には動いてくれないでしょう。

そこで具体的な方法として、まずはなんとか時間を作って調査を行ったり、新サービスのコンセプトを練ったりしたら、その結果をまとめて「この内容でいかがでしょうか? ご指導お願いします。」とお伺いをたてるのです。

この際、あまり時間をかけて企画を作りこまないことが大切です。この作業の目的は、調査や企画そのものというよりは、まずは上司を巻き込むことだからです。

たいていの上司であれば、アウトプットを提示されご指導お願いしますと言われたら、さすがに無関心でいるわけにはいきません。すぐに的確なフィードバックをくれる有能な上司もいるかもしれません。その場合は、そのフィードバックに従い、次の作業を進めていきましょう。そんな有能な上司のもとであれば、週2日未満の時間でも自社サービスを開発していけるかもしれません。

一方、そこまで有能な上司ではない場合、あまり適当なフィードバックをするわけにもいかないでしょうから、上司なりに考えたり、勉強したり、さすらいのサラリーマンさんに質問してくるかもしれません。そうなると、それは上司にとっても結構めんどくさいはずです。そこに至って初めて、自社サービス開発には時間やコストがかかるということを実感してもらえるはずです。

そうなれば、業務量の配分見直しや、予算の確保などにも動いてくれやすくなると思います。その結果、「自社サービス開発にリソースを投入すべきだからこの案件は辞退しよう」とか「新たな外注先を探そう」などといった判断につながるのではないでしょうか。

現場の戦術→会社の経営戦略

今回は、会社の経営戦略というよりは、現場で実行できる戦術といったテーマでした。「まず経営戦略があって、そこから個々の戦術が導かれる」というのが一般的ですが、今回のケースのように、現場が戦術を駆使して戦うことで、会社の経営戦略に影響を与えていくことも可能だと思います。