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published 2019.07.04 / update 2021.02.01

受託業務と自社サービス開発の時間配分は事前に決めておかないと上手くいかない?

受託業務と自社サービス開発の時間配分は事前に決めておかないと上手くいかない?

前回のQ&A記事のつづきになりますね。

IT業界で独立・起業することになりました。受託業務と自社サービスの配分はどのように考えればよいでしょうか?

同じくIT太郎さんからの追加のご質問です。

IT太郎です。前回は質問に丁寧に答えて頂いてありがとうございました。
追加コラムの時間配分の記事も参考になりましたし、「自社サービス開発の時間を確保すべき」ということは理論上はよくわかりました。
とはいえ、「目の前にあるタスクはどちらにしろこなさなければならない」には違いないと思いますので、それだったら「すべて完了させたあとで残りの時間全部を締切のない自社サービス開発に充てたい」という考え方になってしまっています。
そうすると結局、目の前のタスクがすべて完了することなんて滅多になく、なかなか自社サービス開発に取り掛かれなくなってしまうという負の循環に陥ってしまうのですが、現状ではそれでも締切のある受託業務を優先せざるを得ないという状況です。
やはり事前に自社サービス開発のための時間を確保しないとならないでしょうか?

追加コラムの記事というのはこちらのことですね。

受託業務を受けつつ自社サービス開発を進める場合の具体的な時間配分は…ズバリ○○%!

ではさっそくお答えしていきます。

受託業務は思ったより時間がかかることが多い

まず、IT太郎さんは受託業務を責任もってやり遂げられており素晴らしいですね。

そして、締切がある受託業務を優先した結果、自社サービスの開発に投入する時間がなくなってしまうというのはよくある話ですね。

受託業務を効率よく行って、空いた時間で自社サービスをやろうと思っても、受託業務だって簡単な仕事ではないでしょうし、ITシステム開発のような細部まで責任を持たなくてはいけない仕事は、予定どおり進まず思ったより時間がかかってしまうことも多いと思います。

1日は24時間ですので、自社サービス開発の時間を作るためには、睡眠や生活の時間を削るかということにもなりがちですが、眠さを我慢するような状態ではなかなかよい発想も出てこないですし、家族のある方でしたら生活の時間を削るのも大きな問題になりそうですから、結果として自社サービス開発が進まないことになります。

Answer:仕事を受ける時点で決断する

これを断ち切る唯一といってもよい方法は、仕事を受ける時点で決断するということだと思います。

つまり、予め自社サービス開発の時間を確保し、それ以外の時間でできると考えられる分だけ受託するということです。

いったん受託してしまったら、 IT太郎さんのように責任感のある方でなくても、途中で放り出すわけにはいきません。

ですので、自分のリソースの上限に近い業務量を抱えてしまった時点で、自社サービス開発は大きく遠ざかると思われます。

現状で受託業務を優先しなくてはならないために、本当にやりたい自社サービス開発に手が回っていないとしたら、基本的に受託業務を減らすしかありません。

 ユアスト 江村さん

ユアスト 江村さん

継続顧客で断りにくい、当面の収入が減るといった怖さはあると思いますが、そこは冷静になって、どの受託業務を受けるべきかを精査するのがよいと思います。

経営戦略の肝は、やることを絞ることです。「選択と集中」と言われることも多いですし、

I’m as proud of what we don’t do as I am of what we do. 

( 我々がすることと同じくらい、我々がしないことを私は誇りに思う。 )

という名言もありますね。

ぜひ、戦略(受託業務を絞る)をたてて実行してみてください。